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新規事業の立ち上げ、特に仮想通貨・ブロックチェーン・xTech領域の支援を行います。

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新規事業の検証方法~いきなり作り始めない~

インターネットを活用した新規事業の現場で相談を受けることがあるのですが、よくある失敗パターンが(潤沢な資金があるわけではないのに)いきなり作るサービスから考え始めてしまう点です。

先日、ボディケアの事業をやっているN氏とランチで新規事業に関するディスカッションをしていた時に、まさにこのパターンとなったのでケーススタディとして記事にする許可をいただきました。※一部脚色しています

オンライン動画コーチングのプラットフォームを作りたい

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ボディケアの分野で関西圏を中心に起業し、事業が成長し関西以外にも公認インストラクターが増えてきている。また同業でシナジーのあるボディケア関連の会社やスクールとイベントなどで共催することも増えたので新しい事業を考えているとのことでした。

  • インストラクターを育てるが、個人や小規模が多く、ケアをする「場」がない
  • もともと器具とDVDでのコースもやっていたので、オンラインコーチも相性が良い
  • 全国展開にあたり、インストラクターとユーザーをマッチングするサイトがあればオンラインで完結しそう
  • 自社だけではなく、ボディケア系でシナジーがあるところも一緒にやってもよいのではないか。

これらの条件から、以下のようなシステムがいくらで作れるか相談を受けました。

  • 会員登録ができる
  • 地域やケアしたい状況によりインストラクターがマッチングできる
  • 課金制、できれば自社ポイントもやりたい
  • サイト上で動画の個別レッスンを受けることができる

簡単に言うと、ボディケアのオンラインコーチ、サイタのジャンルを絞ってオンラインでの提供にしたようなもの。あるいはオンライン英会話のボディケア版です。

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スクラッチで組めば初期も1000万円超え、ランニングも月額数十万円~になりかねないでしょう。とくに決済と認証機能のある動画配信は費用がかさみやすいポイントです。

これが大手企業でとりあえず初年度1億くらい投資するから2年以内に10憶規模のビジネスに育ててほしいという話であれば少々高くてもすぐに作り始めるべきです。しかし彼らはまだ起業数年で大きな資金調達もしていない状態で、いわば本業を伸ばすための施策です。大きな失敗はできません。

ありものの組み合わせ検証する

このような新規事業は当たるかどうかわからない段階で大きな投資をすべきではありません。そのため以下のような検証すべき仮説の提案をしました。

  • 顧客は身体やリラックスの状態に不満を抱えているし、よい解決方法があれば対価を払ってでも解消したいと思っている。
  • N氏のボディケアは、そのうち一定数の顧客のニーズを満たせるはずだ
  • それは、インストラクターがオンラインで実施しても効果はでるはずだ
  • 顧客は、大量の広告を打たなくても自らサロンなど関連分野を探しているはずだ
  • インストラクターや顧客の口コミで広がっていくはずだ

もっともお金をかけない実装案

そのうえで、検証するための実装案をいくつか提示しました。まずはシステム構築をおこなわず、ちょっとした宣伝画像だけ用意すれば2,3日で開始できるプランです。

  • [1.会員制サイト] LINEグループやFacebookグループで、すでに信頼関係のある顧客(ただし実地で会うには不便な人など)を誘い、「新サービスのテスト」として半額程度で試してもらう。
  • [2.決済手段] その際の課金はPayPalや銀行振り込み、数が少ない間は手でさばけるので何でもよい。
  • [3.動画システム] 課金が済んだ人とは、LINEやFacebook、ZOOMのビデオ通話でコーチングを行う
  • それ以外は切り捨てる。
  • そして終わったら、定価でも続けたいか、友達に紹介したいかなどをヒアリングする。

ポイントとしては、すでにあるものをできる限り活用する「作らない仮説検証」です。

うまくいったら徐々に自社システム化

これがある程度うまくいったら、次は費用の掛かる部分はそのまま、安く作れる部分を自前で持つとよいでしょう。

たとえば、それほどアクセスが来ない会員制サイトをPHPやRailsで作るくらいならフリーのエンジニア1名でも十分にシンプルなアーキテクチャで作れるでしょう。

PayPalやStripeなど決済系は外部連携で、購入完了すると講師にメールが飛んであとは生徒さんとSkypeなりでビデオチャットを行ってもらうとすると、動的な10画面~程度のサイト開発になります。

コストにして初期は100万円前後~、サーバ費も月1万円程度で行けるのではないでしょうか。浮いたお金は広告費に回すことができます。

そうやってまずは利用者を増やして、徐々にシステムを改善し、うまく回ってシステムの作りが追いつかなくなったら、その段階で大きなお金をかけてシステムリニューアルをすればよい。と伝えました。

余談:集客(アライアンス開拓)はどうすればよいか

少し上の話と関係して、こういったパーソナルケアはごく一部の大手を除き、個人経営のサロンが多いので、地域ポータルをつくって協力し合えばよいのではという話も出ました。私が以前いたリクルートの成長エンジンとなったB2B2Cというかジャンルポータルビジネスです。

「ここまで小さい市場だと、リクルートさんとかは本気で来ないと思うんですよね」

たしかにそうだと、でもやりかたはリクルート風で行きましょうという話をしました。

とにかく営業しましょう。広告とか打ってはダメです

「たとえば、すでにWebサイトを持ってるサロンを検索で500件くらいリストアップして、お問い合わせから営業したり電話したりしましょう。絶対に検索広告とか打っちゃだめですよ。」

インターネットで成功体験のある人は、なんでもかんでもインターネットで解決したがるので、たとえ大阪市のアライアンス先を50社獲得するというニッチな目標でもWebマーケティングに走ってしまうことがあります。

でも、まだまだWebの運営やメールチェックを毎日やっている店舗は多くないものです。そういったターゲットの特性に合った集客をやりましょうという話もしました。

 

記事にするうえで少し講師目線になってしまいましたが、このようなリアルビジネスのインターネット活用というのは今後もっと増えると考えており、私自身かなり勉強になりました。

より「個」にフォーカスがすすむ世の中なので、個別のオンラインコーチングのみならず、サロン型や動画の再生収入など、マネタイズモデルもさまざまに進化していくことでしょう。Nさんありがとうございました!