UpLucid Inc.

新規事業の立ち上げ、特に仮想通貨・ブロックチェーン・xTech領域の支援を行います。

新規事業の立ち上げ、特に仮想通貨・ブロックチェーン・xTech領域の支援を行います。

プラットフォームビジネスが箱モノ行政化している企画には気を付けよう

f:id:ku-suke:20181214011619j:plain

Photo by Geoff Greenwood on Unsplash

 

 新規事業あるあるシリーズです。

  • ○○と××をマッチングするプラットフォームをやりたい!
  • ポイントを流通させてポイント経済圏を作りたい!

このようなお話はブロックチェーン問わず新規事業の場ではよく聞きます。GAFAをはじめLINEなど、成功しているインターネットビジネスはやはりプラットフォームビジネスですから、その流れを汲みたいということは一理あると思います。

 

しかしながら、このような企画で一番多いパターンが、「箱を作るところまでしか考えられていない」というもので、個人的には「デジタル箱物志向」と呼んでいます。よく地方などで駅前にビルを建てれば何とかなるだろうと考えて失敗するもののデジタル版です。

「場」はあくまで「場」です。利用者にとって価値があるのはそのプラットホーム上で提供されるサービスであり、プラットフォームに参加してくれる企業や個人だったりします。この「中身」をどう獲得していくかがプラットフォームビジネスの最初かつ最大のポイントとなるのに、場を作るところで企画書が止まっているケースが多いのです。

 

リクルートのリボン図モデル

国内でプラットフォームビジネスといえば、リクルートが巨大ですが、リクルートのプラットフォームビジネスを一言で表す概念として、リボン図モデルが用いられます。

ãªãã³å³

出典:https://www.businessinsider.jp/post-100507

 

このモデルの詳細については、多くの書籍などで語られているので割愛しますが、飲食店、不動産、自動車、結婚式場などおおくのビジネス業者を右側に集め、たくさんの広告費で左側の顧客を集め、マッチングするというビジネスです。

たくさんの選択肢があるから価値があり、顧客が集まり、たくさんの顧客が集まるから広告を掲載する価値があるとシンプルかつ力強い日本を代表するB2Cモデルです。これを実現するために全国の営業部隊が鬼のローラー作戦をかけるわけです。

 

メルカリ・LINEは1位総取りのC2Cプラットフォーム

一方で一般消費者自体をマッチングするC2Cプラットフォームはどうでしょうか。こちらはメルカリやLINEを見ればわかる通り、そこに参加するユーザの数がプラットフォームの価値になるため、1位が総取りする世界となります。

market-place.hatenadiary.jp

これらのプラットフォームは設計によりネットワーク効果が働くため、いかにユーザーを獲得し定着させるかが勝負となります。圧倒的な広告費や素晴らしいプロダクトを作るための人材に投資し、一気に勝ち上がることが必要でしょう。

 

B2Bにしても、B2Cにしても、プラットフォームビジネスを成功させるには、コンテンツが必要です。多くの場合それはユーザや参加企業だったりします。もちろん、ECプラットフォームのように卸企業のような「中身の供給業者」がいるビジネスもあります。Amazonはこの方法で、Webサイトから注文があるごとに卸業者に発注してユーザに送っていました。Amazonに買収されたザッポスも、設立当時は注文を受けて近所の靴屋に買いに行ってユーザーに配送をするという裏技を使っていました。

そのようなリソースを持たざる者の戦略

これらのことから我々は何を学ぶべきでしょうか。プラットフォームビジネスをやりたい。でも営業部隊も何十億の広告費用も持っていない。そのような場合まずはプラットフォームという考え方を捨てるべきです。

たとえば前述のLINEでも、最初からプラットフォームを謳っていたわけではなく、無料電話アプリという内容でした。まず価値を提供し、参加するユーザや企業(=箱の中身)が増え、その段階でプラットフォーム化を始めるのです。

もちろんできる範囲のことをやりましょう。自分で営業開拓できる範囲は開拓してパートナーを増やす、C2Cで売り手や買い手が足りないなら倫理的に問題ないやりかたで自演をしてユーザーを満足させることはできるでしょう。
たとえばメルカリのような強いプラットフォームがない時代にフリマアプリをやるのであれば、だれかが出品したら即座に社員が購入して「このサービスはすぐに売れる!」と満足してもらうようなやり方です。

 

ほかには、利益率を犠牲にしてでもコンテンツを借りてくることです。たとえばアライアンスでコンテンツの提供を受けながら5%でも独自のコンテンツを作る。徐々にその割合を広げていくといった方法です。

これらの方法であれば最初からユーザーに対してサービスの提供価値を用意することができます。

 

まとめ:プラットフォームビジネスは箱モノより中身

新規事業でプラットフォームビジネスを思いついたら、あるいはそのような企画に参画することになったら、まずは中身を充実させて、ユーザーのニーズが豊富な品ぞろえや即時の最適マッチングで満たせるようにしましょう。

ジョブ理論でいう「雇用」したくなる状況を常にキープするのです。

 

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位!  ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

  • 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (6件) を見る
 

 

そうでなければ、商店街のシャッター通り、使い道の不明な箱もの行政と同じ道を歩んでしまいます。

皆様のプラットフォームが活気にあふれ、大きなネットワーク効果を生み出すことを願っています。